ゴールデンレトリバーのように耳が垂れている犬種に多い「耳血腫」という病気。
先日我が愛犬がなってしまいました。
耳血腫って何?ガン?治るの??とドキドキしました。
ゴールデンレトリバーは耳血腫になりやすい?
写真では分かりにくいですが、耳が腫れてプヨプヨしています。
耳血腫って何?
耳血腫とは、耳介(軟骨と皮膚で形成されたいわゆる犬の耳たぶの部分)に分泌液や血液がたまることで、耳が膨らんだ状態になる病気の事。
耳介の内部には無数の血管が張り巡らされています。
しかし皮膚と軟骨との接着が弱いため、内部で血管が切れ出血が起こるとその接着が剥れ、皮膚と軟骨との間に大量の血液が貯まった結果耳介全体が膨れあがってしまうのです。
膨らんだ耳は熱をもち、痛みやかゆみをともないます。
耳血腫になる原因は?
まだ解明されていない部分が多く明確には分かっていませんが、様々な要因があると言われています。
- 耳の病気などによる発症…耳ダニ感染症や外耳炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどによって耳にかゆみや痛みが生じて、耳を強くかいたり頭を強く振ったりすることで遠心力により血管が破れ、発症する。
- 外部の物理的刺激による発症…耳を強くぶつけて打撲したり、ほかの犬に咬まれたりしたとき。
- 免疫システムの異常による発症…自己免疫性疾患によっても起こるといわれています。
血がなかなか止まらないという病気にかかっているため、異常な出血が起こってしまうということがあります。
耳血腫の治療法は?
命に関わる病気ではなく、治療をせずに放置した場合でも耳の膨らみは治ります。
しかし、軟骨が変形や萎縮してしまい耳の形がおかしくなってしまうことがあるので、やはり治療を行う方が望ましいといえます。
耳が腫れていることと重みでいつもと違う違和感に、犬がストレスを感じてしまったり気になるので耳を掻いて悪化したり他の感染症になる可能性もあります。
治療法は獣医さんによっていろんな方法があるので、どの方法がいいのか獣医さんと相談しましょう。
主な治療法は…
溜まった血液を抜く方法
耳血腫が起こり膨らんでいる部分に注射針を刺し、中に貯まった血液を抜く方法です。
ただし、抜くだけでは今まで血液が貯まっていた空間に再び血液が貯まってしまうため、除去後に耳介を頭部に貼り付けるような形で包帯をし、適度な圧迫を加えます。
うまく血液が抜けない場合は小切開を行う場合もあります。
また、感染予防のため抗生物質や止血剤を注入することもあります。
外科的手術による治療
腫れが大きい場合などは切開手術や耳にパイプを通す方法、注射による吸引などで液を排出した後に、止血や耳洗浄をしてから、液を排出させた穴を縫い合わせてふさぐ外科的手術を行います。
また、炎症を防ぐためにステロイド剤を、細菌感染を防ぐために抗生物質を投与するなどの内科的治療を行うこともあります。
全身麻酔が必要で、高齢犬などには負担が大きく費用もかかります。
ステロイド投与による治療
プレドニン等ステロイド内服薬による治療もあります。
ただし、おしっこの量が増えたり肝臓に負担がかかったり元気がなくなったり、様々な副作用もあります。
インターフェロンによる治療
インターフェロンには、
① 抗ウイルス作用
② 抗腫瘍作用
③ 免疫系への作用
の 3 つの働きがあります。
異物(インターフェロン)を注入する事によって自己免疫を刺激して内側から治す方法です。
一週間おきに注入して4~6回程、1~2か月程かけて治す方法です。
時間はかかりますが、犬への負担は少なく、近年はインターフェロン治療が効果的だとして多く報告されているとのこと。
ただ、注射の時に痛がるので動いてしまったり嫌がります。
外耳炎や耳の病気がある場合は同時に治療する
外耳炎などの耳の病気がある場合は、耳血腫だけを治療して根本的な原因を排除しなくてはまたすぐに再発してしまいますので、同時に治療をしていきます。
こんな時は注意
耳を痒がったり、パタパタ頭を振っていたら外耳炎など耳の病気の可能性があります。
耳を触って痛がったり腫れていたら、獣医さんに診てもらいましょう。
予防法は?
垂れ耳のゴールデンは耳の病気になりやすいので、耳をこまめに掃除し、常に清潔にしてあげましょう。
耳をあまりパタパタさせないように気をつけて見てあげましょう。
我が家の愛犬の場合
ちなみに我が家の愛犬は、外耳炎をよく起こすので痒がり治療に行った時に反対側の耳が腫れているのを獣医さんが発見し、耳血腫だと分かりました。
説明を聞きインターフェロンで治療して1週間遅れで両耳発症してしまい、2か月以上かかりましたが、綺麗に治りました。
片方は割と早く治って2,3回の投与で治りましたが後から発症した方が結構時間がかかりました。
3回目くらいの投与の後耳がポンポンに腫れあがり、一度血を抜いてステロイドを注射し、腫れが引いたのでまたインターフェロンに戻しました。
外側から固くなっていってプヨプヨの部分が少しずつ減ってきたら順調に良くなっているとのことでした。
結構痛がって動いたりした時もありましたが、嫌がりながらもがんばって我慢してくれました。
がんばったね!!
インターフェロンが効かない子もいるそうですが、うちは効いてくれたので良かったです。
年齢的に10歳越えているので手術もステロイドも負担が大きく極力避けたかったので獣医さんと相談して負担が少ない方法で治すことにしました。
食欲が変わることも元気がなくなることもなくて良かった。
獣医さんによってもいろんな考え方があるので、他にも治療方法はあるかもしれませんが、インターフェロンも選択肢の一つとしておすすめします。